Excelで管理するのは、DXなのか?
紙をやめてExcelにした。これはDXなのか——。
結論は「IT化としては正解。ただし、限界が来るタイミングがある」です。Excelが向いている場面と、そろそろ替えどきのサインを整理します。
Excelは、悪いツールではありません
まず前提として、Excelをやめる必要はありません。紙や口頭で管理していた会社がExcelに移したのなら、それは明確な前進です。
- 誰でも使える(新しく覚えることが少ない)
- 追加費用がかからない
- 自由に作れる
- 渡せば相手も開ける
この4つは、他のツールにはない強みです。1人〜2人で完結する集計作業なら、Excelのままで問題ありません。
ただし、複数人で回し始めると限界が来る
Excelがつらくなるのは、「作る道具」ではなく「共有する場所」として使い始めたときです。具体的にはこうなります。
よくある症状
- 同時に開けない(「〇〇さんが編集中です」)
- どれが最新版か分からない(最新版_最終_修正版2.xlsx)
- 誰がいつ直したのか残らない
- メール添付で送り合っていて、手元にコピーが散らばる
- 相手が見たかどうか分からない
- 作った人しか構造を理解していない(属人化)
とくに最後の「属人化」は見落とされがちです。関数やマクロを組み込んだExcelは便利ですが、作った人が退職した瞬間に誰も直せないファイルになります。
やめどきの3つのサイン
次のどれかに当てはまったら、そのExcelは役目を終えかけています。
- 3人以上が触っている(同時編集と最新版問題が必ず起きます)
- 毎日更新している(更新の手間より、更新漏れのほうが問題になります)
- 進捗管理に使っている(「今どうなっているか」はExcelがいちばん苦手な用途です)
逆に、月に1回の集計、自分だけが使う計算、印刷して配る資料——こういう用途ならExcelのままで構いません。
替えるなら、全部やめない
Excelをやめるとき、全部を一度に移そうとすると失敗します。よくあるのは、新しいツールを入れたのにExcelも並行して更新し続けて、二重管理になるパターンです。
1つのExcelだけ選んで、それは完全に移す。他はExcelのまま残す。この形にしてください。
まとめ
ExcelはDXの立派な第一歩です。ただし「複数人で共有する場所」として使い始めた時点で、専用ツールに替える検討をしてください。目安は3人・毎日・進捗管理の3つです。