紙をPDFにするだけでも、DXと言える?
「書類を全部スキャンしてPDFにしました」。
これはDXでしょうか。答えは「DXではないが、無駄でもない」です。ただし、多くの会社は手を入れる場所を間違えています。
PDF化で解決すること・しないこと
| 課題 | PDFにすると |
|---|---|
| 書類を保管する場所がない | 解決する |
| 遠くの人に送るのに時間がかかる | 解決する |
| 原本を紛失する・劣化する | 解決する |
| 目的の書類を探すのに時間がかかる | ほぼ解決しない |
| 書いてある数字を集計したい | 解決しない |
| 内容をPCに入力し直している | 解決しない |
PDFは「紙の見た目をそのまま保存したもの」です。画像としての紙が、パソコンの中に移動しただけと考えると分かりやすいはずです。だから、探す・集計する・転記するといった手間は残ります。
本当に直すべきなのは「紙に書く前」
ここがいちばん大事な点です。多くの会社は、書き終わった紙をどうデジタル化するかを考えます。しかし手間が発生しているのは、そこではありません。
手間が発生している場所
紙に書く → 回覧する → 誰かがPCに入力する → 集計する
この3番目です。PDF化しても、この転記作業はなくなりません。
解決するには、紙に書くのをやめて、最初からデジタルで入力してもらうしかありません。入力の入り口をフォームに変えれば、転記も、PDF化そのものも不要になります。
とはいえ、全部の紙をなくす必要はない
「では紙を全廃しよう」と考える必要はありません。取引先の都合で紙のままにせざるを得ない書類も、法律上そのほうが早い書類もあります。
やるべきなのは、いちばん枚数が多い紙を1種類だけ選んで、その1種類だけ入力フォームに置き換えることです。日報、作業報告、経費申請、注文書。社内で完結するものほど、置き換えやすくなります。
まとめ
PDF化は保管と送付の解決策であって、転記と集計の解決策ではありません。手を入れるなら「書いた後」ではなく「書く前」。いちばん枚数の多い紙を1種類、フォームに変えるところから始めてください。